地方自治体が管理・運営する墓地を総称して、「公営霊園」と呼びます。
公営霊園の中で最も歴史が古く(明治7年開設)、使用者数が多い代表的なものが、「都立霊園」です。
現在募集しているのが、多磨・小平・八王子・八柱・青山・谷中の六ヶ所です。
以前は、都立霊園は使用料(墓地代)が安く(どこでも一律料金)、庶民の味方・・でした。
しかし、近年は「受益者負担」との考え方から、霊園毎に使用料を設定し直した為、使用料だけを見ると、
民営霊園の方が安価な場合があります。
都立霊園の中で一番安い八柱霊園は、1㎡当たり 195,000円ですが、小平霊園は808,000円、
多磨霊園は903,000円、青山に至っては2,956,000円と、かなり高価です。(全て1㎡当たりの価格)
また、年一回の抽選倍率は、平均10倍前後と高い倍率になっています。
こういった背景から、民営霊園が昭和40年代から首都圏近郊に造られ始めたようです。
墓地に関する情報を得やすくなった昨今と違い、規制する条例は自治体ごとに異なり、基となる法律は
土葬が多かった昭和23年施行の「墓地埋葬に関する法律」とトラブルの温床は沢山あります。
また、最近は墓地経営は宗教法人でないと、墓地の申請が出来ないことも、トラブルを引き起こす要因です。
この点の諸問題は、別の機会に述べます。
この項でのポイントは、公営霊園・民営霊園の「使用規則」などは、都立霊園を基準に作られていることが多く、
その都立霊園は、以前のように必ずしも安さや利便性からみて、「満点」ではないということです。
勿論、宗教的制約がないとか、管理料が安いなどのメリットはあります。
抽選で当たれば・・が大前提ですが。
公営霊園は、自治体によって無い地域があるのも、民営霊園が増えた理由です。
居住地区に公営霊園があるのか、予定はどうか、募集条件は?など、お墓を探す第一歩です。
業者に相談する前に、最低限調べてみましょう。