建墓の際、意外と気にされないのが、納骨室です。
外からは見えず、納骨の時にチラッと見る程度なので、当然かも知れません。
納骨室には、1段と2段のタイプがあります。
墓地の奥行きが、1.5m程度だと、1段になり、2m以上あれば、2段が可能になります。
1段のタイプだと、納骨の位置が地上と同じか、15cm程度の低い位置になるので、さほど問題はありません。
2段の墓地だと、納骨室の底部は、地上面より55~60cm位低い位置になります。
2段の方が、容量が広く、沢山収納出来ますが、地下に掘る為、下からの水はけが問題になります。
お墓で「水はけ」と言うと、通路面を重視しがちですが、実は納骨室の水はけが一番大切です。
骨壷が、納骨室で水に浮かんでいた・・は、珍しくありません。
広い墓地ほど可能性が大きい訳ですから、よりお墓に予算を使った方ほど、問題が起きるのです。
現代の家族構成から言って、広い納骨室が必須でなければ、1段タイプを選ぶのも賢明です。
材質は、コンクリートが大半ですが、花崗岩を使用される方も居ます。
見えないけれど、大切な遺骨を収納する場所を重視したい・・方には、お勧めします。
ご予算や、交通の便もありますが、立地条件で水はけは左右されますので、地形なども注意しましょう。
石材店の主な仕事は、建墓工事です。
最近は、異業種の参入が目立ちます。
仏壇店・葬儀社・互助会などなど。
逆に、葬儀を請け負う石材店も、現れました。
昔から言われますが「餅は餅屋」 「隣の芝は青くみえる」
不況やデフレが進む中で、売上を伸ばしたいのは、どこも同じです。
仕入れて販売だけなら、どこに頼んでも一緒です。
但し、購入者に知識があることが、前提です。
細かな細工や、色のバランス、或いは石の持つ特性などを、的確に把握して商談する・・
これが、石材店の営業マンです。
注文された寸法の石材を問屋は納品し、下請が施工する。
その前の打ち合わせや、アドバイスが重要なのを知る方は、少ないようです。
安いに越したことはありませんが、値段ばかりに気を取られると、結局高く付く・・かも知れません。
民営霊園では、100%と言っていいほど、石材店の指定があります。
加盟している石材店以外の工事は、出来ないと言う意味です。
不動産などの、「建築条件付き」とほぼ同じです。
これは、霊園を造る段階で、石材店に出資を募り、その資金で造成などを行うからです。
休憩所や、管理事務所、法要施設などの建設を、使用者からの負担をせずに、石材店が負担していると言えます。
寺墓地であれば、「寄付」によって賄えますが、霊園は「宗教宗派不問」をウリにしている為、寄付を仰ぐ訳にはいきません。
使用者側からのデメリットは、石材店を選べない点です。
また価格面でも、協定価格や、組合価格など競争がない点なども、デメリットです。
しかし、最近はその霊園での協定価格を、低く設定するなど、近隣霊園に対抗する戦略を取る傾向にあり、
必ずしも、デメリットとは言えません。
また、建立した石材店が倒産した際には、霊園の評判を守る為に、他の石材店がカバーして、利用者の
不利益を軽減するなど、利用者へのメリットもあります。
求める候補としての霊園に、自分たちの要望に応えられる石材店が、加盟しているかどうかでしょう。
民営霊園の指定石材店制度を、きちんと理解した上での、霊園選びが必要です。
六曜または、六輝とも言い、あまり迷信深くない方でも、気にすることが多い様です。
友引は、結婚式は縁起がよく、葬式はダメ・・などはよく聞きます。
これは、字のイメージから、友を引くからが原因でしょう。
斎場(焼き場)も友引が定休日が、多いのも、ある種の裏付けかも・・
元々、定休日を決める時に、友引が極端に葬儀が少なかったので、定休日にした様です。
つまり、皆が避けた日を見て、「ああ、やはり縁起が・・」とは妙な話です。
六曜の順番には、法則があります。
先勝・・・1月1日 7月1日
友引・・・2月1日 8月1日
先負・・・3月1日 9月1日
仏滅・・・4月1日 10月1日
大安・・・5月1日 11月1日
赤口・・・6月1日 12月1日
上記の様に曜日と違い、月が変わる毎に、六曜の先頭に戻ります。
7月1日は、前の日が何であっても、「先勝」になります。
ですから、たまに順序が変わり、「何かあるのでは・・」などと考えるのです。
因みに、上記の○月1日とはいずれも「旧暦」です。
詳しいカレンダーなどでは、確認出来ます。
こう考えると、六曜での吉凶は、あまりあてになりません。
妙な迷信に拘らずに、過ごされる事をお勧めします。
キリスト教で、「13日の金曜日」を凶と考えるのと、日本人が「4」や「9」を嫌うのとは、かなり違います。
語呂合わせで、吉凶と結び付けるのが、日本特有ではないでしょうか?
4→死に結びつけ、言葉そのものを嫌うのは、ある種滑稽かも知れません。
普段の生活でも、「今日はこのへんで、おしまいにしましょう」を
「このへんで、おひらきにしましょう」など、「し」を使わない言い回しをします。
飲食店でも「しょうが」→「がり」や「醤油」→「むらさき」「塩」→「なみのはな」などなど・・・
人それぞれの拘りはあるでしょうが、あまり過敏になると、「霊感商法」的な詐欺の被害にあいます。
お墓でも、「何向きはダメ」や「黒い石はダメ」などと、根拠の無い理由で、高額な石を進める業者もあります。
現在の様な「家族墓」になってからの歴史は、決して古くありません。
明治以前は、土葬が主流のため「個人墓」が一般的でした。
わずか、100数十年の「家族墓」の歴史で、こうしたからああなった等の、因果関係は考えにくいと思います。
妙な迷信に振り回される暇があるなら、その時間をネットやチラシなどの研究に充てた方が、より良い墓地が
見つかる気がします。
高ければ供養になる・・のは、どこぞの新興宗教みたいです。
周りに惑わされず、納得のいくお墓を探しましょう。
ここ十数年で、日本で使用される墓石の産地は、様変わりしました。
特に、中国産の石材の台頭は、目覚ましく、圧倒的です。
茨城の加工業者は、かなりの数が廃業に追い込まれました。
これは、加工費=人件費の違いにより、外国製品に太刀打ち出来ないからです。
天然の原石を掘り出して、加工する訳ですから、素材の善し悪しもあります。
しかし、国産の原石は、数十年に亘る採掘により、枯渇しつつあるので、素材だけを見ると、
必ずしも外国産が劣るとは、言いきれません。
但し、現在のデフレの為、少しでも安くする為に、安い中国産を仕入れているのも事実です。
従って、メインとなる石碑は、中国産を避けるのも、いいかも知れません。
輸入される石では、インド産・アフリカ産・スウェーデン産・フィンランド産など、多岐に亘っています。
それぞれの特性を見極めた選択が必要ですが、一般の方の見極めは困難でしょう。
石材店の担当者に、相談して、きちんと説明出来る業者を選ぶしかありません。
「中国産が一番」と言われたら、避けた方が無難です。
求めるのは、納得してからです。
加工技術は、日本からの指導もあり、今では国産・外国産の別なく、安心出来ます。
要は、初めは間口を広げ、好みから予算と、絞っていくことが大切です。
重複する内容もありますが、ご興味のある方は、ご登録下さい。
登録無料で、解除も簡単に行えます。
携帯から下記のアドレスに、空メを送信するだけです。
日本最大級の無料メールマガジンを発行しているので、種類も多種多彩です。
迷惑メールなどは、一切来ませんので、ご安心下さい。
最近はお墓に限らず、以前はあまり目にしなかった種類の、折り込みチラシが入ります。
葬儀・仏壇・互助会などなど・・
それだけ、高齢化社会が進み、タブーが少なくなって来たとも言えます。
お墓のチラシで、気を付けたい事は、何点かあります。
第一番は、「目玉商品にむやみに飛びつかない」・・です。
価格競争が熾烈化して、近隣の霊園より安い物件をアピールするのが、目的だからです。
スーパーなどの特売と違い、消耗品ではないので、買い替える訳にもいきません。
安くする為に、極力石の量を減らした、いわゆる「セット墓石」を目玉にすることが多いからです。
また、見本墓地を建てる霊園もありますが、売れ残りそうな場所に設置するケースがあります。
対象霊園での、平均価格帯が幾らで、入口からの距離や、水はけなどを比較検討した上での
「目玉商品」ならお買い得です。
「バス停より○分」などの内容でも、バスが一日5本・・なんてこともあります。
「車でしか来ない」のは、今だけ、或いは自分だけかも知れません。
お寺の売り出しで、「過去の宗派は問いません」なども「今後は問います」の裏返しですから、
入檀の意思がなければ、避けるべきです。
近隣の相場に比べて、あまり価格差があるようなら、係員に説明を求めましょう。
「企業努力」などは、回答ではありません。
努力で埋められる「価格」なら他でも、同じ価格で出来る筈だからです。
管理料以外の費用なども、明示しているのかの、確認も必要です。
求める時点だけでなく、ランニングコストがどれだけかかるか位は、意識したいものです。
勿論、チラシで興味を持った物件は、面倒がらずに、足を運んで確認が必要です。
また、特定の会社のチラシを持参すると、その会社の見込み客に自動的に振り分けられます。
「何も持たないで来た」と言えば、順番に振り分けられるので、担当される会社を自分で選びたいなら、
「勝手に見るので、案内は不要」の意思表示が必要です。
各会社で、広告費・人件費をかけているので、そういったルールが、勝手に出来ているのです。
1社独占か、単独での開催だと、仕方ありませんが・・
いずれにしても、しっかりした予習と、現地確認を行うことが、肝要です。
承継者が居ない方への選択肢として、「散骨」が一時期注目されました。
大きく分けると、「海に撒く」「山に撒く」が、主流です。
海の場合、漁業権の問題で、かなり沖に出ないと、許可されません。
山の場合も、かなりの山奥でないと困難です。
承継者が居ない方だけでなく、「お墓は高価」の観点から、お墓の代わりに求める方もいらっしゃいます。
ここで考えたいのは、あくまでも「お墓の代わり」であるなら、お墓に求める要素でしょう。
遺骨を捨てたいだけなら、海や山への散骨で充分です。
「お参りの施設」や「先祖の供養」或いは「故人を偲ぶ」などの観点から言うと、違和感があります。
また、人によっては、「家族の歴史を語り継ぐ場所」と位置づける場合もあるでしょう。
勿論、「散骨が故人の希望」のケースも少なくありません。
そうなると、お墓は誰の為の物?との根本的な疑問が生じます。
色々な考えはあると思いますが、「残された遺族が崇拝する場所」ではないでしょうか?
費用面から言うと、1名当たり10万~50万円が多い様ですが、個別だと割高になるようです。
しかし、4人家族で40万~200万円だと、一般のお墓が求められる金額です。
こういった理由で、普及が拡がらなかったとも、考えられます。
この項で言いたいのは、散骨の是非より、お墓の意義を考えることです。
承継者が居るなら、どこまでの予算でどれだけの面積や、環境を含めたお墓を求められるか、熟慮する必要が
あるかと思います。
求めるのが目的ではなく、お参りするのが目的・・を望みます。
「自然に囲まれて眠りたい」「記憶に残ればいい」など、個々の趣味趣向を否定するつもりはありません。
費用面だけで、お墓の代用をすることに、疑問を感じるのです。
「お寺」と聞くと、あまり良いイメージがないようです。
「付き合いが煩わしい」「寄付が大変」「行事の参加がイヤ」などを、よく耳にします。
確かに、最近のご近所付き合いなどの希薄さから考えると、不向きな方もいるでしょう。
では、自分で体験した方が、どれだけいるでしょうか?
噂だけを信じて、所謂「食わず嫌い」はありませんか?
少なくとも、昭和40年頃から登場した「民営霊園」を求める以前は、殆どが寺墓地がでした。
お寺の中には、「寺檀関係」に胡坐をかいて、横暴な住職が居るのも、事実です。
ただ真面目に、お勤めされている住職が大半なのも事実です。
また「うちの寺の住職さんは、素晴らしい」などとは、あまり聞きません。
つまり、悪い噂だけが広まっているとも言えます。
ここで勘違いし易いのは、寺は住職個人の物ではない・・と言うことです。
施設が檀信徒のものなのですから、修復や改築の費用を、負担するのは当然とも言えます。
頻繁に寺に足を運ばないのは、個々の勝手ですから、使ってもいない施設の費用は支払いたくない・・では
道理が通りません。
本来、寄付とは個々の資力に応じて、応分の負担が原則ですが、檀信徒の数によっては、多額になる可能性はあ
ります。
また、葬儀や法事などを、同じ住職に依頼出来る「安心感」は、貴重です。
しかし、試しに求める訳にもいきません。
一つの目安は、そのお寺で、法事や彼岸以外の行事をどれだけ行っているか・・
例えば、「座禅教室」や「写経」などの、啓蒙活動です。
これにより、本来の「布教」への熱心さが計れます。
また、近隣の評判も大切です。
住まいの近くに、同じ宗派のお寺の有無も、必要条件です。
近所に良いお寺があれば、霊園での「宗教色」の問題も起こりませんから、一番安心とも言えます。
今一度、歴史」の重みや、伝統の良さを、再認識する必要がある時代かも知れません。